身体の使い方を学ぶ:分散加算
✅筋連結と筋連鎖の基本
筋連結とは、筋肉と筋肉のつながりのことを言い、隣接する筋肉は筋膜・筋間中隔などの結合組織や互いの筋線維が交差しています。片方の筋肉が活動したとき、もう一方の筋肉にまで活動が伝達するのが筋連結の特性です。
筋連鎖とは、筋連結が連続して繋がっていることを言います。AとB、BとC、CとD、DとEという筋連結があった場合、Aの筋肉が活動したときに、B→C→D→EというようにAから離れた筋肉も連動して活動するのが筋連鎖です。
✅筋連鎖における「分散」のメカニズム
何か動作をするときには必ずその関節に関わる主動作筋Aが活動します。もしその主動作筋Aのみでその運動を行うとすると、Aの負担は100掛かります。
しかし、筋連結によって隣接する筋肉Bも活動するので、動作負担がA:80、B:20というように分散されます。
筋肉Bから連結する筋肉Cがあれば、A:60、B:30、C:10といった形でさらに主動作筋Aの負担が分散されます。
「分散」は、筋連鎖を通じて動作の負担が複数の筋肉に分散され、一つの筋肉に過度なストレスがかからないように調整されます。その結果、筋肉や関節への負担を減少させ、怪我のリスクを低減します。
また無駄な緊張がないため、運動パフォーマンスが最適化されていき、運動能力の向上にもつながります。
✅「分散」から「加算」へ
次に、「加算」は「分散」とは逆に、複数の筋肉が協力して一つの動作を強力にサポートする現象です。「分散」で使った例を使って説明します。単一の筋肉の筋出力を100とします。
筋連結A-Bの場合、動作負担はA:80、B:20のように分散されました。
Aには20の余力があり、その20を使った筋活動を行うと、A:100、B:40となり、140の力を使って運動をすることができます。
ですが一つの筋肉を100使うのはかなり負担が伴います。そこで筋連鎖が重要になります。
筋連鎖A-B-Cであれば、動作負担はA:60、B:30、C:10だったので、Aを60→80といった+20の筋出力に引き上げるとA:80、B:50、C:30となり、160の力を発揮することが可能になります。
このように「加算」は筋連鎖を通じて複数の筋肉が協調動作を行うことで、全体の筋出力が増加する現象です。
単一の筋肉だけで行う動作よりも、より大きな力を発揮することで、より強力かつ効率的な動作が可能になります。
✅「分散加算」と「体軸」
筋連鎖を理解し活用することで、「分散」による負担の軽減と、「加算」による出力の増加をバランスよく手にすることができます。
ですが、ただ筋連鎖を使えば良いわけではありません。アウターマッスルの筋連鎖だけを使い続けることはお勧めしません。
特定の筋連鎖を使えると、動作に対してA-B-C-D-Eの筋連鎖と同時にA’-B’-C’-D’-E’の筋連鎖が活動します。
これによって分散加算をさらに活用できます。そのために必要なのが「体軸」です。
体軸を鍛えていくことは、筋連鎖による分散加算によって運動パフォーマンスの向上だけでなく、身体の安全性を保つ上でも極めて重要となります。
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山川公平
✔︎体軸セラピスト養成®︎育成講師
✔︎体幹パーソナルトレーナー 講師
✔︎体軸ピラティス 監修
✔︎KYS整体代表
私自身が怪我や痛みに悩んだこともあり、それを克服するために様々な知識や技術を学び、試してきました。その中で本当に良かったもの、身体に効果があったものだけを精査し、鍛錬してきました。
・日常生活から楽になりたい。
・趣味に没頭できるようになりたい。
・現役で活動できる期間を長くしたい。
そのための身体の向上を目指し、毎年身体を革新し続け、成長の喜びを分かち合っていきたいと思っています。
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